SP盤レコードで辿る宝塚歌劇

こんにちは。はじめまして。ここを管理している人間のひとり、みずき@精神科医と申します。普段は精神 科病院で勤務医をしています。
私が宝塚に出会ったのは、大学4年生のことでした。ちょうど私は、「病理学の再試験の勉強」をするために、 冬休みに実家に帰ったものの、勉強に明け暮れていました。その時、BSで宝塚歌劇団の公演の実況放送を やっていました。宝塚歌劇団宙組『ベルサイユのばら2001フェルゼンとマリーアントワネット編』でした。 「ベルサイユのばらだったら子どもの時にアニメを見たことがあるし、ちょっと見てみようかな」と見始め ました。和央ようかさんのフェルゼン、花總まりさんの気品のあるアントワネット。一気に夢の世界に誘わ れました。
ちょうどそのタイミングは1週間宝塚歌劇団の全部の組の公演が放送されるということで、その最初の日が 宙組公演でした。そこからは、時間になると毎日宝塚歌劇の放送を見ていました。『猛き黄金の国/パッサ ージュ』『LUNA/BLUE MOON BLUE』『ミケランジェロ/VIVA』そして、翌年の元日には第2回中国公演の 放送がありました(蝶恋/サザンクロス・レビューin China)。
実家は東京でしたが、大学は関西でした。あれ、これせっかく関西に住んでいるんだから、宝塚を一度生で 見てみたい!そう思って、慌ててとったチケット(定価で譲りますのサイトでした)は宙組の『傭兵ピエール /満天星大夜總会』でした。フェルゼンとアントワネットをやっていたあのお二人が、コメディを演じていた のです。もう、この幅の広さに驚きしかありませんでしたね。次に見たのは、月組公演『花の宝塚風土記/ シニョール・ドン・ファン』言わずとしれた明日海りおさんや望海風斗さんなどのいる89期生の初舞台公演 です。そこからは、毎公演1回は見にいくようになりました。一番最初にはまったスターさんは、湖月わたる さんでした。今はやはり初舞台を見た子がトップになって行き、親心のような気持ちで観劇していましたが、 あの時は違いました。安蘭けいさん、瀬奈じゅんさん、水夏希さん、大空祐飛さん、霧矢大夢さん、完成さ れた、憧れのスターさんたちがたくさんいて、劇場に行くたびに胸がときめいていました。
私は医者になり、あまり観劇にいけなくなりそうだったので、「TAKARAZUKA SKY STAGE」の契約 をします。これがまあ、朝から晩まで目が離せなくなるような宝塚三昧。オリジナルの番組もあり、ファン としてはジェンヌさんの素の姿が見られて、余計にファンになることも続出です。 また、公演の再放送もテロップが出るので、いろいろな生徒さんの顔と名前も覚えられました。
そして、私はあるひとりの元タカラジェンヌの方の生き方に、憧れを抱きます。誰だと思いますか?答えは、 紫苑ゆうさんです。音楽学校で演劇の講師をして、年に1度のディナーショー『再会』ではトップの時と変わ らぬ姿を見せてくれる。そして、そこで語られることは本当にとにかく「宝塚への愛」です。そして、「宝 塚があったからこそできたファンとの絆、ファンからの愛への感謝」です。とにかくなにもかも「愛」。芸 能人としての活動を一切されなくなってから10年以上経っていました。それでも「再会」には毎回1000人の ファンが集うのです。 私は紫苑ゆうさんの現役時代の舞台を見たことはありませんが、今でもやっぱり1番のファンは誰かと言わ れたら、紫苑ゆうさんだと言い切れます。
やがて、私は自分が宝塚を見るようになる前の宝塚歌劇団への興味が湧いてきました。そのころはいろいろ なHPに「トップの長さ」「同期生は誰」「成績順」「退団者・退団日一覧」を載せてくれているページが、 今よりたくさんありました。そして、それを頭にインプットして行きます。
その一方、宝塚歌劇団は100周年に向けて、いろいろなOG公演を企画して行きます。それを見て、宝塚の歴史 に想いを馳せ、いつしか「宝塚のことならなんでも知りたい」という思いが強くなってきました。また、90 周年には90曲の、100周年には100曲の、宝塚が始まってから今までの名曲が入ったCDのセットを購入し、 iPodにいれて楽しんでいました。戦前と思われる葦原邦子さんの曲、戦後すぐと思われる越路吹雪さんの曲。 宝塚歌劇の歴史にも、興味を持っていました。
TVドラマで、藤原紀香さん主演で放映された「愛と青春の宝塚」、これもOG公演となって舞台になり、私は ドラマのDVDを買うほど好きになったのですが、そこで、春日野八千代先生のすごさを知ります。90周年の 飛翔無限、何回も観に行きました。
そんな楽しみ方をしていたあるとき、レコードを聴く環境をそろえているもうひとりの管理人さんに出会い ます。最初に買ったのは、EP(シングル)の眞帆志ぶきさん『アマール・アマール/アディウス・カルナバル』 でした。ノバボサノバの名曲です。この録音状態が最高に良くて、そこからはできる限りLP・EPを収集し、 最後にSP盤にたどり着きました。蓄音機というものは、教科書に載っているだけで実物を見たことがありま せんでした。
もうひとりの管理人さんも、その段階では造詣はありましたが蓄音器は持っていませんでした。資料もなく、 どれだけ発売されているか分からない中、手探りでSP盤を買いまくり(主にオークションです)、蓄音器を 手に入れました。聞いてみるとCDで聴くよりも迫力があり、生々しい音を聞くことができました。でもこん な文化遺産、我々だけで抱えているのはもったいないと考えるようになってきました。それでできたのがこ のページです。まだ完成していない部分もありますし、手に入っていないSP盤もたくさんあります。でもこ のページを公開した方が情報が集まるのではないかと考え、制作途中の公開に踏み切りました。マニアック なページではありますが、ぜひ昔の宝塚を感じてください。